Ken WagatsumaSRE at Neo4j

The Forrester Wave™: Graph Data Platforms, Q4 2020

★ introductory

September 23, 2021

Forrester Wave 社による Graph Database 市場の調査レポートが、2020/11 に公開されています。

本レポートは、各ベンダーの競合優位性について評価している点がポイントです。

当レポートから、特にマーケットリーダーについての考察部分を抜き出してご紹介します。

"The Forrester Wave™: Graph Data Platforms, Q4 2020"

要約

本レポートは、2020 年の時点で、市場に出回っている Graph Database 製品の競合優位性について、サービスの品質やセキュリティ、可用性などの総合的な観点からポイント制で評価し分析したものです。

主な分析対象としては、Neo4j, AWS Neptune, TigerGraph, Microsoft Azure Cosmos DB, Oracle 等です。

現在提供している機能および戦略優位性についての評価点をプロットした結果が以下の図です。

Figure 1

各ベンダー評価

レポートでは、各ベンダーの簡単な評価も載せられています。マーケットリーダーを中心に、幾つか抜粋してご紹介します。

Neo4j

エンタープライズ向けとして Neo4j Enterprise Edition を、そしてフルマネージドな Database-as-a-Service として Neo4j Aura を提供しています。

オープンソースバージョンは GPL3 ライセンスのもと公開されています。

Neo4j が開発してきた Cypher および openCypher.org コミュニティの実績をベースに、ISO 標準の Graph Query Language の策定にも尽力しています。

顧客評価としては、グラフネイティブであるがゆえにパフォーマンスに優れたデータ処理、ACID、オートスケール性能などが評価されています。

利用ケースとしては、リアルタイム推薦、AI、グラフ検索、データサイエンスなどに用いられています。

Amazon Web Services

フルマネージドな Graph Database として AWS Neptune を提供しています。

特徴としては、W3C で仕様が定められている RDF や Apache TinkerPop Gemlin と SPARQL に対応しています。

Amazon S3 への定期バックアップもサポートされており、複数の地域に分散してレプリケーションを作成することで可用性を高めています。

セキュリティに関しては、HTTPS を用いたクライアント接続の暗号化はもちろん、AWS Key Management Service (KMS) を利用したデータベースの暗号化を提供しています。

顧客評価としては、容易なスケール性の他、他の AWS 製品との結合優位性が評価されています。テクニカルサポートやパフォーマンスの高さも同様に評価されているようです。

TigerGraph

TigerGraph は、Graph Database である TigerGraphDB の他、TigerGraph Cloud 及び GUI としての GraphStudio を提供しています。

TigerGraph のデータモデリングは、Neo4j と同様 Property Graph と呼ばれる形式ですが、RDF ファイルを読み込み Property に変換するインポート機能も実装しています。

特徴としてはスキーマをサポートしているという点です。また、GraphStudio 上でドラッグアンドドロップのみでクエリを作成できる機能も実装されています。

C++ で実装された Graph Database は、トランザクションモデルとしては、ACID と強い整合性をサポートしています。

顧客評価としては、処理速度のほか、GraphStudio によるビジュアルツール、スキーマサポート、デプロイの用意性などです。

Microsoft Azure Cosmos DB

Microsoft は Azure Cosmos DB を提供しています。フルマネージドな Graph Database であり、グローバルに分散されているため可用性に優れています。

特徴としては、ACID、自動インデックス機能、調整可能な整合性レベルなどが実装され、Apache TinkerPop Gremlin のフォーマットもサポートされています。

クライアントは Gremlin API を通じて Graph Database に接続することが可能です。

顧客評価としては、スケール容易性、カスタマーサポート、グローバルに分散されたデータ、オートスケール性能などが評価されています。

Oracle

Oracle が提供する Graph Database の特徴としては、RDF 形式とプロパティモデル形式の両者をサポートしている点です。

顧客評価としては、Oracle のテクニカルサポート、クラウド上での豊富なオプション、SQL に似たシンタックス、中規模サイズのクラスターでのパフォーマンスなどが評価されています。

評価項目

評価項目としては、以下の通りです。

デプロイ手法や可用性、スケール性など、本番のアプリケーションで利用されることを想定した基準をしっかり評価基準として組み込まれている点は、信頼できるという感想を持ちました。

  • Current Offering
    • Graph model/engine
    • Deployment options
    • Cloud
    • App development
    • API/extensibility
    • Data loading/ingestion
    • Data management
    • Transactions
    • Queries/search
    • Analytics
    • Visualization
    • High availability and disaster recovery
    • Scalability
    • Performance
    • Data security
    • Workloads
    • Use cases
  • Strategy
    • Strategy execution
    • Roadmap
    • Vision
    • Community
    • Support
    • Partnerships
  • Market presence
    • Revenue
    • Customers
    • Market awareness
    • Global presence

最後に

以上、Forrest Wave 社の提供するレポートを用いて、2020 年 Q4 時点における Graph Database の市場評価について紹介しました。

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