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子どもに決して I'm proud of you と言わない理由

May 05, 2023

子育てって難しくないですか?何が難しいかって、「何が正解かわからない」こと。巷にはあらゆる教育本やリサーチ結果、主張や手法があふれているけれども、自分にとって最適な方法はなんだろうか、試してみないとわからない。

でも、実は「正解」なんていうものを求めることをそもそも辞めた方が良いのでは、と僕は思うのです。大人が思う「正解」というのは、要するに大人である自分が子どもにこういう風に育ってほしい、という理想を追求しているんですよね。そして、その道から外れた生き方は「不正解」となる。

なので、大人である親の自分の理想や思いを可能な限り Parenting から排除する、というのが悩める父親である私の最近の個人テーマなわけです。

それはそれとして、現実問題、子供と接していると、「こいつ凄いな!」とか「頑張ったな!」と感心することってあるじゃないですか。僕は毎日のようにあります。

いつの間にか自分で洗濯を畳めるようになっていたり、朝起きたときに布団を整理したり、パンケーキをひっくり返せるようになったり、LEGO のお城を組み立てられるようになったり、学校で賞をもらってきたり、友人との喧嘩を乗り越えてきたり。

自分が子どもに対して持っている期待に対して、大きく超えてくる時ってありますよね。単純に嬉しいし、褒めたくなる。

で、そこで子供をなんて褒めるかが重要なわけです。「子供の褒め方」なんて本もたくさんありますが、たくさんの教育本を読んで、いろいろ試して失敗もしてきた結果、今の僕が大事にしていることは一つ。

褒める主体が、親ではなく子ども自身であってほしい。これだけ。

例えばですが、イギリスで子育てしていると ”I'm proud of you" "Great job" というように、「僕はあなたのことを誇りに思っているよ」という褒め言葉をよく聴くのですよね。日本語にすると、誇りだなんて結構固い言葉のように聞こえますが、英語だと割とフランク。

そして、僕は決して "I'm proud of you" と言わない

代わりに、"You must be proud of yourself" と言う。

何か素晴らしいことを達成した時、子どもは自分自身のことを大いに誇りに思うべきだと思う。だって、今までにできなかったことができたんですから。大いに自己満足に浸って良いと思う。

でも、それは「親が誇りに思うから」ではなくて、あくまで「自分で自分に誇りを持ってほしい」のです。親の期待や周りの偉い大人の期待値なんて、関係ないわけです。親の誇りなんて、捨ててしまえ。

自分が自分で持つ、自分のモノサシを、大事にしてほしい。他人のモノサシで生きて欲しくない。。。とまあ、これはこれで一種の期待を押し付けていると言えばそうなんですが、僕のモノサシという期待を押し付けるよりかはましかと(あまりこれ以上言い過ぎると詭弁になるのでこれくらいで笑)。

なお、この褒め方をみんなすべきとか、この褒め方はとある研究結果によると天才を育てる近道ですとか、そういうことを言いたいわけではないですので念のため。別に天才を育てたいわけではないですし、研究結果も万能の薬ではないので。今後こどもが成長していくに従って、考えもころっと変えるかもしれません。新しい知識を入れて変わって成長していくのが人間なので、来年には全く別のこと言っているかもしれませんが。

それではみなさん、今日も良い子育てライフをー!

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