いきなりですが、皆さんが今所属しているチームの雰囲気って、どんな感じですか?
アットホームな雰囲気漂う和やかなチームでしょうか。カリスマがいる強い個人に引っ張られるチームでしょうか。目的が曖昧で空中分散しかけているチームでしょうか。
最近、別のチームとの協働プロジェクトに関わっています。私が所属するチームと協働する必要のある相手チーム。全く異なるチーム文化なんですよね。同じ会社なのに。そんな異なる文化に戸惑いながらも、なんとか同意にこぎつけて、どうしたら上手くプロジェクトを進めていけるかねー、と言う話を同僚としていた時に、教えてもらったアナロジーがあります。
チームには、Bowling に適したチームと Rowing に適したチームがある、とのこと。
英語の言葉なので、韻も踏んでいるのでしょう。
"Bowling, or Rowing?"
Bowling とは、まさにあの球を投げてピンを倒すボーリングですね。チーム全体で「高いスコアを出す」と言う同じ目的に沿って行動している。ですが、一人一人のパフォーマンスはお互い独立している。したがって、チーム全体で高いスコアを出すには、何人かのスタープレーヤーがいれば十分であることが多く、必ずしもチームワークが求められるわけでもない。試合を重ねるごとにメンバーは淘汰されていき、ベンチ行きを免れるのはあくまで個人で結果を出せるプレーヤーになっていく。
一方の Rowing とは、ヨット競技のようなものですね。チーム全体の成果は、一番遅い漕ぎ手に制約される、そうボトルネックですね。このチームでは、チーム全体の底上げと雰囲気を非常に重視する。時によっては自分たちのことを "Home" とか "Family" と表現することもある。人間同士のつながりを重視し、仕事のパフォーマンスだけではなく、週末の予定やプライベートな事情の共有も好まれる。もちろんついていけないメンバーがドロップアウトすることもあるが、同じボートに乗ることが決まった限り、全員で力を合わせてタイムを競いにいく。
もちろん、極度に単純化した比喩ですので、現実にそくさない場面も多いでしょう。それでも、私が今まさに経験しているのが、"Bowling チームの一員が、Rowing チームと混じって仕事をする" と言う状況でして、同僚曰くその客観視は君を助けるよ、と言うこと。なるほど。
具体的には、コミュニケーションスタイルを尊重したり、前提としての意思決定プロセスの違いを意識したりすることで、停滞したプロジェクトにおけるステークホルダーマネジメントをうまくやっていこうぜ、と言う形で話がまとまりました。
チームの成熟度合いや意思決定プロセスを分析するときに役立つフレームワークは他にも山のようにありますが、"Bowling, or Rowing?" と言うのは、分かりやすくて良いですね。語呂も良いし。今度メンター側に立った時に一度は使ってみようかな。
チーム間のコンフリクトを、個人対個人の諍いとして処理すると、疲れるし進まないですよね。「チーム文化」という一つ上の抽象レイヤーから客観的に捉えることで、進む時もあります。ぜひ参考にしてみてください。