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「英語力のために日本人と距離をおく」について

November 10, 2022

海外で暮らしていると、本当に時々だけど、こんな人に出会う。

「英語力を鍛えたいので、日本人コミュニティには入りません」

「日本語が話せる環境だと甘えてしまうので、日本人とは距離を置いています」

「英語しか話せない環境に身を置きたいので、日本人ではない東アジア人のふりをしています。

英語を真に話せるようになるのって、とても難しいですよね。少しでも早く英語力を向上させたい、そんな切羽詰まった気持ちは、心が痛いほどわかるんです。そんな時期だって僕にもありました。

母語では無い言語を、大人になってから努力して習得して、母語で話すのと同じレベルで他人とわかりあうのって、並大抵の努力じゃ到達しないんです。言語だけではなく、文化やコンテキストも理解しないと、分かりあうなんて、到底無理。

でも、だからって自分の母国語を話す人々と距離を置くのって、勿体無いなって思うんですよね。

英語力を鍛える方法なんて、無数にある。YouTube を聞くでも良いし、近所の珈琲屋さんで話をしてみるのでも良い。Podcast や Audiobook でリスニング力を鍛えても良いし、それこそ語学学校や語学学習ツールは山のようにある。

でも、海外で同じような境遇を経験し、苦労を共にする人々と話す方法は、自分から外に出て人と話すしか、無い。代替方法の手段の数が違うんです。

英語力を鍛えるための環境づくりと、母国語の人と触れ合えるコミュニティへの所属って、全然両立すると思うんです。むしろ、それらをうまく学習曲線を伸ばす機会と捉えて、助けを求めたりアイデアを求めたりしていく方法を模索していく方が、楽しいって思えてくるんです。

海外で孤独を感じている人も、今まで日本人だけど日本語コミュニティと距離を置いてきた人も、馴れ合いでも互助会でもない、単純に海外で苦労しながら頑張っている人たちが、刺激し合いながら協力し合える環境が、一つでも見つかったら良いですね。素直に、誠実に頑張る人たちとの交流って、それが持てるだけで素敵だと思うので。

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