職場における英語のコミュニケーションスキルが不足している場合、以下の三つのどれかに絞り込むことができる。
Speaking スキルが不足しているというのは、話すネタが無い、または上手に説明できないという状態。話すネタを増やすためには、外に出て、人に会い、多様な経験を積むしかない。旅先の思い出、こだわり抜いた趣味の話、奇想天外な他国の友人の話をするには、まずはそのストーリーを手に入れなくてはいけない。説明力が不足している場合、ロジカルシンキングを鍛えたり、話の構成を手助けする「起承転結」のような一般的なフレームワークを学習したりする。そして、どのような話が相手に伝わるか、何度も当ててみてフィードバックを得て改善していく。話す力が高い、落語家や漫才師、芸人や政治家を見て学ぶことも効果的。
Listening スキルが不足しているというのは、相手に興味が無い、もしくは緊張して自分の話ばかりしてしまう状態。相手に興味が無い場合、マインドセットを変える必要がある。相手に興味がある場合でも、質問力が不足しているケースもある。その場合、事前に質問する内容を考えたり、複数の質問方法を用意したりする必要がある。本場のインタビュアーやカウンセラーなど、聞く力が高い職業者を見て学ぶ。
Language スキルが不足している場合、語彙を増やし、言い回しの幅を広げる必要がある。相手の文化理解や、ポリティカル・コレクトネスといった最低限のマナーを認識することもこのスキルに含めて考える。住んでいる地域の方言や、特定国の独特なイントネーションを練習する必要も出てくるだろう。
最も重要なのは、どのスキルが足りていないかの自己認識と、それに対する適切なアクションアイテムを選定すること。本当は Listening スキルが不足しているのに、一生懸命ギャグを覚えても逆効果。また、本当は Speaking スキルが不足しているのに、英語学習に時間をかけすぎるのも非効率。もちろん、英語力が不足しているのに、雑談力や質問力のテクニックに走るのも効果は限定的。