イギリス Individual Saving Accounts (ISA) のイロハ

海外在住者として、その国の税金の仕組みを正しく理解することは生活基盤を安定化させるために必要な第一歩だ。特に、税金を払いすぎないために国が用意している税制優遇施策を理解し活用することは、何かと出費が多い移住者として欠かせない知識の一つである。今回は、イギリスで最たるものである ISA について、基本をおさらいしたい。

イギリスには、4 種類の Individual Saving Accounts (ISA) がある。

  • cash ISA
  • stocks and shares ISA
  • innovative finance ISA
  • Lifetime ISA

ISA を使うと、以下の場合において節税することができる。

  • interest on cash in an ISA
  • income or capital gains from investments in an ISA

いくつかの条件を満たせば Citizenship を持っていない居住者でも ISA 口座を開設することができる。18 際以上の UK 居住者であれば、基本的に全ての ISA 口座を開設できるといえる。

Tax Year の間に利用できる ISA の総額は £20,000 になる。これは ISA 口座間で分割しても良い。例えば、cash ISA に £15,000 利用し、stocks and shares ISA に £5,000 利用する、ということができる。ただし、Lifetime ISA は別換算で年間 £4,000 まで。

一度 ISA 口座に入金した額は、Tax Year が終了しようが(ISA 口座に持ち続ける限り) tax-free を享受し続けることができる。

ISA 口座から引き落とす際に、その口座が flexible である場合、同じ Tax Year の間に再入金すれば ISA の割当量を減らすことはない。

例えば、flexible とみなされている ISA 口座に £10,000 入金し、その後 £3,000 を引き落としたとする。この場合、再度 £13,000 の割当量があるとみなされる(£20,000 - £10,000 + £3,000)。

インデックスファンドなどの商品を扱う Vanguard UK の ISA 口座は flexible ISA である。

ISA 口座を開設した後に UK 国外に移住した場合、移住後の次の Tax Year から ISA 口座に入金できなくなる。ただし、ISA 口座間の資金移動やすでに入金済みの金額の税控除は受けることができる。

2023-03-26