2023 年振り返り

2023 年を振り返る。

Reading

今年は、瀧本哲史先生と Nassim Nicholas Taleb の年だった。

瀧本哲史先生の著書は、『僕は君たちに武器を配りたい』を大学生時代振りに再読したことをきっかけに、殆ど全ての著作を読むに至った。『君に友だちはいらない』を読んでコミュニティ作りに対する意識を変えた。具体的には Podcast を通じた Book Club や社外開発プロジェクトの立ち上げに繋がった。読書好きとしては『読書は格闘技』を通じて他人の独特な読書法について垣間見たのは体験として良かった。『2020年6月30日にまたここで会おう』は、中高生向けに書かれた本でありながら、大きく心を揺さぶられる一冊でもあった。

"Anti-fragile" を読んだことをきっかけに Nassim Taleb の考え方に興味を持ち、"The Black Swan" と "Skin in the Game" を読んだ。特に "Anti-fragile" に書かれている脆弱性に対する心構えに関しては、日常の所作を省みるきっかけとなった。

Software Engineering

Large Language Model (LLM) のプロダクションを想定とした開発スキル、および Vector Database のキャッチアップをメインに行なった。業務でとある LLM アプリケーションのチームに一時的に Site Resiliency Engineer としてコラボレーション業務に携わったことをきっかけに、本番で LLM アプリケーションを開発するとはどういうことかについて正面から向き合わざるを得なくなった。もちろん、裏側で OpenAI の API を叩く "だけ" のアプリでは無い。ユーザー体験はもちろん、モデルの出力した結果の評価、パイプラインのモニタリングなど、Resiliency の観点から包括的に向き合った時にどういう課題が見えてくるのか、非常に学びの多い年だった。

Decision Making

人生のあらゆる決断の局面において、Simple を追求する・せざるを得ない一年だった。結果として、大きく可能性を広げ発散した昨年と比べ、今年はやることを選択・集中した収束の一年であった。コアとして働いていた副業案件を友人に任せたり、一部のコミュニティ運営の責任者を降りたりした。引っ越しを契機に所有物も整理したり、心境の変化を契機に有形・無形資産の大きな Asset Allocation の変更も行った。名残惜しくはあったが、何かを捨てないと新しい風は入ってこない。うまくいっているタイミングにこそ捨てる勇気も必要である。

Relationship

家族はもちろん、友人との思い出作りに時間を割いた一年であった。大学時代からの友人をロンドンに1週間ほど招きイギリスの生活を体験してもらったり、ドイツからの友人家族を招待して餃子パーティをしたり、何度も家にご飯に呼んでさまざまなトピックについて相談できる気の合う友人ができたり、アメリカに住む義理の家族の家で Familiy Gathering をしたり、地元の友人家族と Dim-sum を食べたり。Podcast を通じた密度の濃いコミュニティが形成しつつあるのも大きい。共同で運営してくれている人はもちろん、新しい価値観をいつも持ち込んでくれるゲストの方々や、自省のきっかけになるフィードバックをくれるファンリスナーの方々のおかげで、やりがいを感じている。

2024

未来予測はしないことにしているので、2024 年がどんな一年になるかは、考えていない。どんな一年にしたいかというのも、トピックごとにはそれぞれ小目標があるが、大きな目標は考えていない。一つ挙げるなら、数少ない選ばれた機会に、最大限の熱量と努力を注ぐ、それに尽きるかと。2022 年と 2023 年とで、明らかに悩みのタイプが変わっている。

2023-12-31