2024 年を振り返る。
過去の年末振り返りブログ記事:
昨年と打って変わって大きく変化したのは、インプットの方法が「目」から「耳」に変化したことだ。今までは書籍という媒体を通じてインプットしていたが、今年は半分以上を Audiobook または Podcast を経由した情報獲得だった。
最大の理由は二つ。第一に、英語のリスニング力に課題を感じていた点。多読ならぬ多聴。特に、特定の美しい英語を話すソースだけではなく、非ネイティブを含めて幅広い発音をするソースにあたるようにした。具体的には、Podcast でもゲストを呼ぶインタビュー形式のエピソードを好んだ。Audiobook に関しては、シンプルに内容で選んだ。
第二の理由が、インプット時間の確保難だ。椅子に座って本を読むという時間が非常に貴重となっており、残念ながら本にリソースを限ると、欲しい頻度で情報が獲得できない。皿洗いや洗濯、掃除といった家事をしながら聴けるという点において、Audiobook はそんな悩みを綺麗に解決してくれる。
Podcast は、気に入ったものを一気に複数エピソード聞いて、飽きたら次に行くというスタイルで聴いている。The Brave Technologist をしばらく聴いていて、その後現在は The Knowledge Project がお気に入りだ。
Audiobook は、libro.fm を愛用している。今年に入って 20 冊以上聴いている。過去に書籍として読んで気に入った本を、改めて耳で聴き直すというのも気に入っている。近藤麻理恵さんの "The Life-Changing Magic of Tidying" や、Bill Perkins の "Die With Zero"、Peter Theil の "Zero to One" などは、数年前に本で読んで学びが多かったので改めて聞き直し、当時との感想を比較するという楽しみを発見した。
新しく読んだ本としては、先述した Podcast "The Knowledge Project" のホストでもある Shane Parrish が出版した "Clear Thiking" は僕の好みで耳心地が最高だったし、"Free Your Mind" は普段インプットする情報に対して今までにない視座を与えてくれるという点で新鮮だった。長い間積読に入っていた "The Blue Zones Solution" や "Build" といった本も、Audiobook なら比較的時間を作ることができたので、インプットすることができた。ポピュラーサイエンスやロジカルシンキング系ばかり聴いていると内容が偏ってくるので、"The Three-Body Problem" や "The Bomber Mafia" のような、SF 作品やジャーナル・歴史系作品にも触れた。
2023 年から初めている日記を、二年目も継続することができた。ほぼ毎日書いている。旅行で日記を持ち運ばないような状況でも、小さいメモ帳に記載しておいて、帰宅してから転記するなどして長く続けている。
二年目になって初めて日記の効果を実感している。というのも、二年目以降は、昨年の同じ日に何をしたのかを振り返りながら書くことになるので、自分が去年からどれくらい成長したか言語化できるし、逆に何も変わっていない点を見つけて改善点を探るポイントにもなる。例えば、まだ本棚に手をつけずに眠っている本を昨年買った日の日記を読み返し、改めてその本への思いを新たにして手に取る、ということが何度かあった。
London Tech Talk を引き続きホストとして続けている。今年は Podcast 運用周りでも、数々の大きな変化があった。Website もできたし、ホストの交代もあったし、ゲストの方々も増えたし、100 回記念も迎えた。
Podcast を運営していく中で新しいチャレンジが多々あり、その度に振り返りながら進化できている実感もある。英語での収録にチャレンジすることもできたし、時事ネタを深掘りしていく収録も試してみた。ゲスト同士を引き合わせて新しい形の座組みにトライしてみるというのも何回か行なった。話すネタは尽きないし、呼びたいゲストの数も増えるばかり。
最近は、Kaz と話しながらゲストや内容の多様性を意識している。やはり話の方向性や属性が固まってしまうと、それは学習の幅を狭め、成長を鈍化させ、外部の空気が入ってこない硬直したシステムとなってしまう。可能な限り「自分と似ていない人」を呼んでいきたい。
また、今まで読んだゲストの方を二回目、三回目呼ぶというのも引き続きやっていきたい。ゲストの方々との信頼関係ありきで成り立っているような Podcast なので、一回読んで終わり、というのは勿体無い。ゲストと一緒に成長できる Podcast でありたい、というのは当初から変わっていない理念の一つだ。
最後に、開発プロジェクトとして進めているサポータープランを形にしたい。ローンチするだけではなく、その後のリスナーの方との交流やサポート、システムの自動化やミスをなくすための施策など、全方位でチャレンジしていく。
今や僕らの London Tech Talk の代名詞となった Bookclub も回を重ねていて、今年は "Tidy First?" の運営を担った。改めて Bookclub を通じた議論の場の貴重さを実感し、そこに集まってくれる参加者に支えられていることを体感した。
一人で本を読むだけでは得られない貴重なフィードバックループとして最高の場であることを、回を重ねるごとに実感している。知識をインプットし、他人と議論することで理解を深め、バックグラウンドの違う人の意見を聞くことで自分の Blind Spots を発見し、振り返り収録というアウトプットの機会を得ることでより深化させる。この学習のフィードバックループを、これからも情熱ある Bookclub の参加仲間たちと続けていきたい。
Bookclub は、もはや Podcasting と比べてどちらが主役かわからないほど熱量を注いでいるプロジェクトとなった。それだけ準備も必要だし、フォローアップも求められる。その分、投下した努力に対しての見返りも大きい。
自分なりの上手な Bookclub の回し方や、Bookclub に求める理想像も言語化できるようになってきた。例えば、単に本を読むための習慣形成の場として開催するだけだったら、誰にでもできる。でもそうではなくて、ファシリテーターである自分たちが情熱のある本を中心に場を提供することで、議論も盛り上がるし、内容も濃くなる。
また、Bookclub の参加者を増やしたり、離脱率を抑えたり、学習効果を最大化してもらえるような施策を考えるのも楽しい。時間をおいて振り返り収録を公開することで記憶の定着を図ってもらうというのも、参加者の一人に言われて気づいたメリットの一つだ。参加者同士の信頼関係構築や、わからないことをわからないといえる心理的安全性の高い場づくりなど、実は高度なマネジメントスキルが求められることも発見した。「ただやるだけ」なら誰でもできる。貴重な時間を費やしてやるからこそ、自分も参加者も満足できる場を作り続けていきたい。
引き続きブログを通じた自己の体験の言語化を行なっている。読書メモも自分なりのスタイルを確立しつつあるし、Podcasting との相乗効果も実感してきた。アウトプットのチャンネルを複数持つことの効果を実感している。
トピックについては、Parenting や Mental Model のように普段から興味があるトピックを中心に書いた。Site Reliability Engineering や Software Engineering に関する記事もいくつか書いた。
何らかの形で運動は続けている。去年はランニングかテニスで汗を流すことが多かったが、今年は頻度少なめのランニングとラバーバンドを多用した自宅筋トレ。
膝を痛めてしまったことを理由にハーフマラソン出場を今年は諦め、ランニングの頻度も減らした。それを賄うために自宅でできる筋トレのレパートリーを増やしている。
去年と大きくマインドセットは変化していない。
未来予測はしないことにしているので、2024 年がどんな一年になるかは、考えていない。どんな一年にしたいかというのも、トピックごとにはそれぞれ小目標があるが、大きな目標は考えていない。一つ挙げるなら、数少ない選ばれた機会に、最大限の熱量と努力を注ぐ、それに尽きるかと。